「離職票」の意味
離職票(りしょくひょう)
失業給付の手続きに使う、退職したことを証明する公的な書類。
離職票とは、雇用保険の失業給付を受けるための手続きに使う公的な書類です。正式には雇用保険被保険者離職票といい、実務では単に離職票と呼ばれます。
発行の流れは少し複雑です。会社がハローワークへ届け出を行い、ハローワークが交付したものを会社が本人へ渡す、という順序になります。会社が独自に作る書類ではありません。
受け取る枚数は通常2種類です。マイナンバーなどを記入する用紙と、離職の理由や賃金の支払い状況が記載された用紙が組みになっています。
この書類が必要になるのは、退職後に失業給付を申請する場面です。逆に言えば、次の職場がすでに決まっている場合は使わないことが多い書類でもあります。
ただし、必要ないと思っていた人が後から使うことになる例もあります。入社直前に事情が変わることは起こり得るため、受け取れるなら受け取っておくほうが安全です。
退職証明書・離職証明書との違い
似た名前が三つあり、実務でよく取り違えられます。
📐 三つの書類の違い
離職票
ハローワークが交付し、会社経由で本人へ。失業給付の手続きに使う。
離職証明書
会社がハローワークへ提出する届出の書類。本人が受け取るものではない。
退職証明書
会社が本人の請求に応じて出す私的な証明書。公的な手続き用ではない。
離職証明書は、会社がハローワークへ出す側の書類です。名前が似ているため本人がもらうものだと思われがちですが、渡されるのは離職票のほうです。
退職証明書は、会社が本人の請求に応じて発行する書類です。転職先から在籍の確認を求められた場合などに使われます。公的な手続きに使うものではありません。
この二つは、必要な場面が違います。失業給付なら離職票、転職先への提出なら退職証明書、と覚えておけば取り違えません。
なお、退職時にはこのほかにも受け取る書類があります。雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票など、次の職場で必要になるものです。
まとめて確認しておくと後の手間が減ります。何をもらえるのかは会社によって説明の丁寧さに差があるため、自分から一覧で聞いてしまうのが早道です。
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目安として、退職から2週間程度で手元に届くことが多いようです。会社がハローワークへ届け出る期限があり、そこから交付と郵送の時間が加わります。
ただし、退職日が月末で給与の締めをまたぐ場合や、有給消化で最終出社から間が空く場合は、もう少しかかることがあります。有給消化をしていると在籍が続くため、起点が後ろにずれます。
1か月近く経っても届かない場合は、確認したほうがよいでしょう。まず会社へ、進捗が分からなければハローワークへ問い合わせるという順序になります。
会社が発行してくれないという相談もあります。本人が希望する場合の交付は会社の手続き上の義務とされています。応じてもらえない場合は、ハローワークに相談すると対応してもらえることがあります。
いずれにせよ、待っている期間は収入が途切れている時期でもあります。手続きの起点が遅れるほど給付の開始も遅れるため、放置せず早めに動くほうが結果的に楽になります。
離職理由の欄をどう見るか
この書類で最も重要なのが、離職の理由が記載された欄です。ここが失業給付の扱いに影響します。
会社が記入した理由と、本人の認識が食い違うことは実際にあります。書式には本人が異なる意見を記入できる欄が用意されており、納得できない場合は自分の認識を書いて提出できます。
ただし、最終的に判断するのは会社でも本人でもなくハローワークです。この構造については自己都合退職の記事で詳しく扱いました。
異議を出す場合は、事実を裏づける資料があると扱われ方が変わります。労働条件通知書、勤怠の記録、退職の経緯が分かるやり取り。これらは在職中にしか取れないため、退職願を出す段階から手元に確保しておくのが確実です。
賃金の支払い状況が記載された欄も確認しておきます。給付の額を計算する基礎になる部分なので、明らかに実際と違う数字が入っていれば指摘する価値があります。
実務での使い方と例文
退職時に発行を依頼するとき
次が決まっていない場合は、退職の手続きの段階で伝えておくと確実です。会社側も準備の見通しが立ちます。
例文:
「退職後の手続きについて確認させてください。離職票の発行をお願いしたいのですが、いつごろお送りいただける見込みでしょうか。送付先は自宅で登録いただいている住所で問題ありません」
届かないとき
催促は事務手続きの確認として伝えれば角が立ちません。感情を挟まず、日付を示して尋ねます。
例文:
「◯月◯日付で退職いたしました件で、離職票をまだ受け取っておりません。発行の状況をご確認いただけますでしょうか。手続きの都合がありますので、見込みの時期だけでも教えていただけると助かります」
記載内容に疑問があるとき
指摘ではなく確認の形にすると、事情を説明してもらいやすくなります。
例文:
「離職票の離職理由の欄について確認させてください。私の認識では◯◯という経緯でしたので、記載との違いをご説明いただけますでしょうか。必要であれば当時のやり取りの記録もお出しします」
受け取ってから手続きが終わるまで
離職票が届いたら、住まいを管轄するハローワークで求職の申し込みを行います。この手続きをして初めて、給付に向けた流れが始まります。
持っていくものは、離職票のほか、本人確認の書類、マイナンバーが分かるもの、写真、預金通帳など。必要な持ち物は自治体や時期で変わることがあるため、事前に確認するのが確実です。
申し込みのあとは、説明会への参加や、定期的に来所して状況を報告する日が設定されます。この報告を欠かすと手続きが進まないため、日程は最初に控えておきます。
給付が始まる時期は、離職の理由によって変わります。この扱いを判断するのは会社ではなくハローワークです。詳しくは自己都合退職の記事にまとめました。
実際にいくら、いつから、何日分になるのかは、年齢や雇用保険に加入していた期間、その時点の制度で変わります。一般的な解説では自分の場合の答えは出ません。窓口で確認してください。
転職先が決まっている場合
次の職場が決まっているなら、失業給付の手続きは行いません。この場合、離職票は使わないことになります。
それでも受け取っておくほうが安全です。入社日が後ろにずれた、事情が変わって入社しないことになったといった事態は起こり得ます。そのときに手元にないと、あらためて会社へ依頼することになります。
退職した会社との連絡は、時間が経つほど取りにくくなります。担当者が変わり、状況の説明から始めなければならなくなるためです。
なお、次の職場で提出を求められるのは離職票ではなく、雇用保険被保険者証や源泉徴収票であることがほとんどです。何を渡す必要があるかは、入社手続きの案内で確認できます。
退職時に受け取る書類は、まとめて一か所に保管しておくのが確実です。退職金に関する書類や確定拠出年金の案内も、同じ時期に届きます。
紛失したときと、再発行
受け取ったあとに失くしてしまった、という相談は少なくありません。給付の手続きに使う書類なので、なくすと手続きが止まります。
この場合、再発行の手続きが用意されています。ハローワークの窓口で相談すれば、対応の方法を案内してもらえます。会社に頼み直すより、まずハローワークに聞くほうが早いことが多いようです。
退職した会社がすでに存在しない場合もあります。倒産や事業の終了で連絡が取れないケースですが、この場合もハローワーク側で対応できる仕組みがあるとされています。
いずれにせよ、諦めて手続きをやめてしまうのが最も損な選択です。給付には申請できる期間の定めがあるとされるため、気づいた時点で窓口に相談してください。
予防としては、受け取った時点で写しを取っておくことです。原本を提出したあとに記載内容を確認したくなる場面もあります。
💡 離職票で押さえておく点
- ハローワークが交付し、会社経由で本人に渡される。会社が独自に作る書類ではない。
- 離職証明書は会社がハローワークへ出す書類。本人が受け取るのは離職票のほう。
- 目安は退職から2週間程度。有給消化で在籍が続くと起点が後ろにずれる。
- 離職理由の欄には本人が異なる意見を記入できる。判断するのはハローワーク。
- 賃金の支払い状況の欄も確認する。給付の額を計算する基礎になる。
受け取ったら、失業給付を使わない場合でも保管しておいてください。後から必要になったときに再発行を依頼するより、手元にあるほうがはるかに早く済みます。
なお、離職票を受け取る時期は、年金の切り替えの期限とも重なります。給付の手続きに気を取られていると、こちらが抜けます。国民年金の届け出は退職の翌日から14日以内とされているので、あわせて進めてください。
似た言葉との違い
- 離職証明書 — 会社がハローワークへ提出する届出の書類。本人が受け取るものではありません。
- 退職証明書 — 会社が本人の請求に応じて出す私的な証明書。公的な手続きには使いません。
- 雇用保険被保険者証 — 雇用保険に加入していることを示す書類。次の職場で提出を求められます。
- 源泉徴収票 — その年の給与と源泉徴収額を記した書類。年末調整や確定申告で使います。
参考にした公的情報
この記事は、次の公的機関が公表している資料をもとに制度の枠組みを整理しています。制度の内容や金額は改正されることがあるため、実際に判断が必要な場面では、リンク先の最新の情報か、担当の窓口で確認してください。
まとめ
離職票とは、雇用保険の失業給付を受けるための手続きに使う公的な書類です。会社がハローワークへ届け出て、交付されたものを会社経由で本人が受け取る流れになります。
離職証明書は会社がハローワークへ出す側の書類、退職証明書は会社が本人の請求に応じて出す私的な証明書です。名前が似ていますが、使う場面が分かれます。
届く時期の目安は退職から2週間程度ですが、有給消化で在籍が続く場合は後ろにずれます。1か月近く経っても届かないなら、会社、次いでハローワークへ確認してください。
最も重要なのは離職理由の欄です。本人が異なる意見を記入できる仕組みがあり、判断するのはハローワークです。異議を出すなら資料が要るため、在職中のうちに手元へ確保しておくのが確実です。
📋 この記事の要点
- 離職票は、失業給付の手続きに使う公的な書類
- ハローワークが交付し、会社経由で本人へ渡される
- 離職証明書は会社が出す側の書類。退職証明書は私的な証明書
- 目安は退職から2週間程度。届かなければ会社、次いでハローワークへ
- 離職理由の欄には本人の意見を書ける。判断するのはハローワーク
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