「第二新卒」の意味
第二新卒(だいにしんそつ)
新卒で入社したあと、比較的短い期間で転職に移る層を指す採用の用語。
第二新卒とは、新卒で就職したあと、数年以内に転職する若手を指す採用の用語です。企業側が募集の対象を示すために使う言葉で、働く側の資格や区分ではありません。
まず押さえておきたいのは、法律や公的な基準で決まった定義はないという点です。だから「何年目まで」に唯一の正解はありません。
実務では、新卒入社からおおむね3年以内を指すことが多いようです。ただし企業によって幅があり、5年程度まで含める募集もあれば、1年から2年に絞る募集もあります。
年齢で線を引く企業もあります。25歳まで、28歳までといった形です。この場合、大学院を出ていたり就職までに時間がかかっていたりすると、年数と年齢がずれることになります。
つまり、自分が該当するかどうかは募集要項に書かれた条件を一件ずつ読むしかありません。一般論で判断すると、応募できたはずの求人を見送ることになります。
中途採用・既卒との違い
紛らわしい言葉が三つ並びます。何を基準に分かれているのかを整理しておきます。
📐 三つの言葉が指している層
新卒
学校を卒業する年に就職する人。就業経験がない前提。
既卒
卒業したが就職していない人。就業経験がない点は新卒と同じ。
第二新卒
就職したが数年以内に転職する人。短くても就業経験がある。
既卒と第二新卒を混同する人が多いのですが、分かれ目は一度でも就職したかどうかです。就業経験の有無で扱いが変わります。
では中途採用との違いはどこにあるのか。実は、第二新卒も中途採用の一種です。カテゴリとして別物なのではなく、中途採用のなかで経験が浅い層を指す言い方だと考えるほうが正確でしょう。
違いが出るのは、企業が求めるものです。通常の中途採用では即戦力としての実績が問われますが、第二新卒枠では実績よりも基礎とこれからの伸びしろが見られます。
この違いは選考の中身にも現れます。中途採用の面接が過去の実績を掘り下げるのに対し、第二新卒の面接では志望の理由や辞めた理由が中心になりがちです。
準備すべきものが変わるということでもあります。実績を並べようとして材料が足りず、焦ってしまう人がいますが、そこは主戦場ではありません。
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なぜわざわざ経験の浅い人を採るのか。企業側の事情を知っておくと、何を求められているかが見えてきます。
ひとつ目が、新卒採用だけでは人数が足りないという事情です。計画どおりに採れなかった分を、翌年の新卒を待たずに埋める手段になります。
二つ目が、基礎的な研修が済んでいる点です。名刺の渡し方から報告の仕方まで、社会人としての基本を一度通っている人は、受け入れ側の負担が小さくなります。
三つ目が、前の会社の色に染まりきっていないことです。長く勤めた人ほど前職のやり方が身についており、変えるのに時間がかかります。数年であれば、新しい環境に合わせやすいと見られます。
四つ目が、年齢構成の調整です。新卒採用を絞った年があると、数年後にその層が薄くなります。第二新卒の採用は、この穴を埋める手段でもあります。
裏を返せば、求められているのは即戦力としての実績ではありません。ここを取り違えて背伸びした話をすると、かえって噛み合わなくなります。
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最も多い悩みがここでしょう。一年や二年では、誇れる成果がないと感じるのは自然なことです。
語れるのは三つあります。ひとつは、任された範囲でどう動いたか。規模は小さくても、自分で判断した場面は必ずあります。
二つ目が、辞める理由の説明です。ここが第二新卒の選考で最も見られる部分だと言ってよいでしょう。不満を並べると、次も同じ理由で辞めると受け取られます。何を求めているかの形に組み替える必要があります。
三つ目が、この数年で分かった自分の適性です。やってみて向いていたこと、向いていなかったこと。実際に働いた人にしか言えない内容で、就業経験がない層との差はここに出ます。
書類の書き方については職務経歴書の記事で扱いました。経験が短いほど、書き方の工夫で見え方が変わります。
なお、在籍が短いこと自体を不利だと思い込む必要はありません。この点は「3年は勤めろ」に根拠はあるのかで詳しく扱っています。
実務での使い方と例文
辞める理由を聞かれたとき
正直さは必要ですが、不満の羅列は避けます。事実を述べたうえで、次に求めるものへ話をつなげる形にします。
例文:
「入社後は法人営業を担当し、既存のお客様への提案を任されてきました。実際に取り組むなかで、商品を売る前段階の企画に関わりたいという気持ちが強くなりました。現職では担当が分かれており機会がないため、転職を考えております」
実績を聞かれたとき
数字が小さくても構いません。自分で考えて動いた部分を具体的に示すほうが伝わります。
例文:
「担当は10社ほどで、規模としては大きくありません。ただ、問い合わせへの返答が遅れがちだった点を自分で整理し、確認事項の一覧を作って共有しました。結果として初回返答までの時間が半分程度になりました」
面談で条件を確かめるとき
第二新卒枠は、配属や育成の前提が通常の中途採用と違うことがあります。入社後の扱いを確認しておく価値があります。
例文:
「第二新卒枠での募集と拝見しました。入社後は新卒の方と同じ研修を受ける形になりますでしょうか。また、配属先はいつごろ決まるのかも教えていただけますか」
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経験が浅い時期は、判断の材料そのものが手元にありません。同じ年次の人がどんな選択をしているかを知るだけでも、急いで決めるべきかどうかの見当がつきます。
いつ動くのが現実的か
第二新卒として動くなら、時期の選び方が結果を左右します。求人の出方に波があるためです。
企業が第二新卒枠を出しやすいのは、新卒採用の結果が固まったあとです。予定した人数に届かなかった分を埋める必要が生じるためで、新卒の採用計画が確定する時期の前後に募集が増える傾向があります。
また、期の変わり目にも動きが出ます。組織の体制が変わり、人員の配置を見直すタイミングだからです。
とはいえ、募集が増える時期を狙って待つより、準備を先に済ませておくほうが確実です。良い求人が出たときに動けるかどうかは、書類が手元にあるかで決まります。
在職中に動くか、辞めてから動くか
迷いやすい部分ですが、一般には在職中に動くほうが有利とされます。理由は二つあります。
ひとつは、収入が途切れないことです。焦りがないと、条件の合わない求人を受け入れずに済みます。生活の余裕がそのまま交渉の余裕になります。
もうひとつは、空白期間が生じないことです。短い在籍のあとにさらに空白が続くと、説明する項目が増えます。
ただし、心身の状態が限界に近い場合は話が別です。順序を守ることより、まず状況から離れるほうが優先されます。
入社まもない時期に動く場合
入社から数か月で転職を考えるケースもあります。この場合、まだ試用期間の途中ということもあり得ます。
期間が極端に短いと、応募先から理由を詳しく聞かれます。ここでも問われるのは期間そのものではなく、説明が繰り返しの予兆に聞こえないかどうかです。
入社前に聞いていた条件と実際が違っていた場合は、そのまま事実として述べて構いません。労働条件通知書と実態のずれは、記録が残っていれば説明の材料になります。
応募先はどこで探すか
第二新卒と明記された求人は、通常の中途採用の求人より数が限られます。そこだけを見ていると、選択肢が狭く感じられるはずです。
実際には、経験年数の条件が緩い中途枠に応募できる場合もあります。募集要項の必須要件を読み、経験年数の下限が書かれていなければ、対象から外れているとは限りません。
迷ったら問い合わせて構いません。応募の可否を尋ねる連絡は選考に影響しないのが通常で、条件を満たさないまま応募して落ちるより効率的です。
また、同じ企業でも新卒・第二新卒・中途で窓口が分かれていることがあります。どの経路で応募するかによって、選考の内容も評価の基準も変わります。
経路を選べるなら、自分の経験年数に近い層と比べられる枠を選ぶほうが有利です。実績で勝負する中途枠に経験1年で入ると、比較の相手が変わってしまいます。
💡 第二新卒で押さえておきたい点
- 法律や公的基準による定義はない。何年目までかは募集要項ごとに読む。
- 既卒との分かれ目は、一度でも就職したかどうか。就業経験の有無で扱いが変わる。
- 第二新卒も中途採用の一種。ただし求められるのは実績より基礎と伸びしろ。
- 最も見られるのは辞める理由の説明。不満の羅列は繰り返しを疑われる。
- 就業経験がある層にしか語れないのは、やってみて分かった自分の適性。
応募の時期についても一言。第二新卒の募集は通年で出ているものもあれば、新卒採用の結果が固まる時期に増えるものもあります。急いで決めるより、募集の出方を数か月見てから動くほうが選択肢は広くなります。
似た言葉との違い
- 新卒 — 学校を卒業する年に就職する人。就業経験がないことが前提です。
- 既卒 — 卒業したが就職していない人。就業経験がない点は新卒と同じで、第二新卒とは分かれます。
- 中途採用 — 就業経験のある人を対象とする採用全般。第二新卒はそのなかの一区分にあたります。
- ポテンシャル採用 — 実績より将来性を見る採用の考え方。第二新卒枠がこの形を取ることがあります。
まとめ
第二新卒とは、新卒で就職したあと数年以内に転職する若手を指す採用の用語です。法律や公的な基準による定義はなく、何年目までを含めるかは企業ごとに異なります。
既卒との違いは、一度でも就職したかどうかにあります。中途採用とは別物ではなく、そのなかで経験が浅い層を指す言い方です。
企業がこの層を採るのは、新卒採用の不足を埋めるため、基礎研修が済んでいるため、前職の色に染まりきっていないためです。したがって求められているのは即戦力としての実績ではありません。
語るべきは、任された範囲でどう動いたか、なぜ辞めるのか、そしてこの数年で分かった自分の適性です。最後のひとつは、就業経験がない層には言えない内容で、ここが第二新卒の強みになります。
📋 この記事の要点
- 第二新卒は、新卒入社後まもなく転職する層を指す採用の用語
- 公的な定義はない。何年目までかは募集要項ごとに確認する
- 既卒との分かれ目は、一度でも就職したかどうか
- 求められるのは実績より基礎と伸びしろ。背伸びした話は噛み合わない
- 最も見られるのは辞める理由。不満ではなく求めるものの形で語る
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